中小企業や老舗企業でも、その存在が重要視され始めているCFO。必要とされる理由や、その役割についてまとめてみました。
中小企業の定義は中小企業法で定められており、その規模は業種別に規定されています。たとえば製造業・建設業・運輸業の場合は資本金または出資額3億円以下、または常時使用する従業員数が300人以下といった具合です。ちなみに小売業は出資額5,000万円以下、従業員数50人以下となっているため、業種によってかなりの差があります。中小企業庁によると、2016年6月時点で企業全体の99.7%が中小企業となっています。
老舗企業には明確な基準が設けられていませんが、長い経験と信用を持つ企業を老舗と呼ぶことが多くなっています。企業調査などを行う会社では独自の基準を設けていることがあり、東京商工リサーチでは創業30年以上を「老舗」、帝国データバンクでは創業または設立100年以上の企業を「老舗企業」と呼んでいます。帝国データバンクによると、2019年の時点で企業全体における老舗企業の割合は2.27%であったとのことです。
それほど規模の大きくない中小企業・老舗企業の場合、「CFOは必要ないのでは?」と思われがちです。しかし、CFOが経営に関与しているとしていないとでは、企業の財務状況・資金繰り・成長スピードで差が見られることがあります。
たしかにCFOの採用は必須ではないかもしれませんが、CFOは単なる経理担当ではなく、企業価値の向上に向けて財務面からサポートする人材。経営陣の1人して他の役員ともディスカッションし、どうすれば企業価値が上がるのか・成長できるのかについての提案を行います。とくに視点が狭くなりやすい中小企業・老舗企業において、第三者目線で提案を行う外部CFOの存在は大きなものと言えるのではないでしょうか。
主に、中小企業・老舗企業において外部CFOが重要な役割を果たすのは以下の2点です。
中小企業・老舗企業の多くが金融機関から資金調達を行っていると思いますが、企業の資金繰りを見て「どのような調達をすべきか」を検討・実施するのがCFOの役割。現在の調達方法が適切なのかどうかを判断するほか、その後の方向性まで提示します。
外部CFOは企業の財務管理を行い、事業の拡大を目指した財務戦略を立案。人件費・仕入れ費用・賃料といった経費なども管理し、コストカットが可能な部分の洗い出しも行います。これによって財務状況の適切な把握と最適化が実現し、良好なキャッシュフローを保てるようになります。