ファイナンシャルのプロであるCFO。同じくお金まわりを専門とする金融機関では、どのような役割が求められるのでしょうか。金融業界の市場規模などの情報と共に、ぜひご覧ください。
金融業界とは、「お金を融通すること」を事業としている企業・機関が属する業界のこと。
銀行・証券会社・クレジット会社・保険会社・リース会社・商品先物取引会社などがこれに該当し、企業や個人への融資・貸付、預かったお金の管理・運用などを行っています。
そんな金融業界の市場規模は、2020~2021年で60兆7,119億円。これは、主要対象企業188社の経常収益の合計となります。
全体としては前年よりも5.8%の減少となりましたが、金融業界にはさまざまな事業があります。
その事業ごとにデータを見ると、銀行11.2%減、証券・生命保険5.8%減、消費者金融3.7%減、クレジットカード1.4%増、損害保険0.6%増という結果でした。
情報を見ると、とくに銀行の下落幅が大きくなっているのが特徴。
稼ぐ力が弱体化しているところに人口の減少・高齢化・新型コロナウイルスなどが影響を及ぼし、非常に厳しい状況となっているのが分かります。
業種によっては、かなり厳しい状況におかれていることもある金融業界。そのような中で、社外CFOはどのようなスキルを持って役割を果たすべきなのでしょうか。
財務戦略とは、自社が利益を生み出し成長していくための戦略を立て、実行すること。
CFOの重要な役割のひとつであり、予算管理と各部署への適切な配分・投資なども担います。
とくに経営が厳しくなっている場合は、財務の現状をしっかりと把握・分析することも重要な業務。
資金繰りを悪くしている原因はどこか、コストカットできる部分はないかなどを評価し、財務の健全性を図ります。
内部統制とは、企業不祥事を防いで適切な運営を行うためのルールづくりのこと。
とくに信用が第一とされる金融業界において重要な要素で、利用者はもちろん、投資家の損失を防ぐためにも経営を健全化する必要があります。
万が一、不祥事が起きてそれが公となった場合、企業にとっての損害は計り知れません。
上場企業の場合は投資家が株を手放してしまったり、銀行であれば利用者数が大幅に減少したりといったリスクがあります。
最悪の場合、経営者や役員ぐるみで違法行為を行う事態に陥る可能性もあるのです。
こうした事態を防ぐための、内部統制を行うのもCFOの大事な役割です。
とくに外部CFOは第三者目線で企業を客観的に見ることができ、企業内の人材よりもCEOへの提言をしやすい立場にあるため、内部統制には適した人材と言えるでしょう。